スペシャル・トレンドレポート

スコットランド自治政府総選挙と 独立住民投票(松崎 美子氏)

2021年4月14日

3月3日に「スコットランド独立はどうなるのか?」というタイトルで記事を書いた。今回はその続編という位置付けとなる。

https://www.yjfx.jp/event/report/20210303/

5月6日はスコットランドだけでなく、ウェールズでも総選挙が実施され、イングランドでは地方選と市長選が加わる。その中でもやはりスコットランドの選挙結果は、独立が絡むだけに注目度は高まらざるを得ない。

今回のコラムでは、総選挙に向けた世論調査結果を交えながら、住民投票実施の可能性について考えてみたい。

スタージョン首相、内閣不信任案採決

3月23日、スコットランド議会では、スコットランド保守党がスタージョン内閣に対し、不信任案を提出。即日採決が行なわれた。

結果は、信任する65票 対 信任しない31票、棄権27票となり、スタージョン政権の継続が決定された。

新党結成

3月3日のコラム記事でお伝えしたセクハラ疑惑で名前が挙がったサモンド前自治政府首相。3月に入り、スコットランド独立を支持する新党:アルバ党が、サモンド氏を党首に選んだと発表があった。https://www.albaparty.org/

同氏はスコットランド国民党(SNP) に所属していた生粋の独立支持者。しかしスタージョン首相と一戦を交え、心がSNP党から離れてしまったのかもしれない。そこで、5月の自治政府総選挙に向け、スコットランド独立を支持するアルバ党の党首となり、戦うことを決めたそうだ。

しかし、新党結成が遅すぎたのか?支持率は3%前後から伸びず、このままで行くと5月の選挙では1議席も獲得出来ないようだ。

最新の世論調査結果

それでは最新の世論調査結果をチェックしてみよう。

各党支持率

各党の支持率に入る前に、スコットランドの選挙制度を簡単に紹介しよう。

スコットランド議会の議席総数は、129。このうち、73議席は地理的に区分された選挙区から小選挙区制で選出。そして、それぞれ7人の議員を選出する8つの地区から比例代表制で、56人を選出する。そのため 世論調査結果は2種類発表される。

Opinium 調査
調査期間: 4月1〜6日
( )内の数字は、3月16日調査結果との差

① 選挙区

SNP党:  53% (+7)
スコットランド保守党:  21% (-3)
スコットランド労働党:  18% (-2)
自民党:  6% (-)

② 8つの地区

SNP党:  44% (+2)
スコットランド保守党:  22% (-)
スコットランド労働党:  17% (-2)
緑の党:  7% (-)
自民党:  5% (-)
アルバ党:  2% (+2)

出典:Opinium
https://www.opinium.com/resource-center/uk-scottish-parliament-voting-intention-1-april-2021/

議席数予想

次は、英国の政治誌:New Statemanの最新の議席数予想に関する調査結果。

スコットランド議会は総議席数が129であり、過半数は65。今回の予想通りの結果となれば、SNP党は単独政権樹立に成功する。

独立支持/不支持

最後は、スコットランド独立支持/不支持についての最新の調査結果となる。

Opinium社が4月1~6日に実施した世論調査結果。

スコットランド独立を支持する  51%
スコットランド独立を支持しない  49%

なんだかんだ言って、50/50という結果には変化はないようだ。

ボリスの態度軟化?

スタージョン首相が英ガーディアン紙のインタビューで語ったことによると、5月の選挙でSNP党が勝利を収めれば、住民投票実施法案を議会に提出するそうである。
https://www.theguardian.com/politics/2021/apr/11/nicola-sturgeon-independence-uk-government-cannot-stand-in-way

以前から絶対過半数を獲得すれば、住民投票実施は避けられないという考えがコンセンサスとなっており、噂によるとボリス・ジョンソン首相(以下、ボリス)も最近は態度を軟化させているらしい。

今までボリスは「2014年に実施されたスコットランドの住民投票は、一回だけ実施が認められたものである」と語っていたが、最近は「一回だけ認められた」という部分を繰り返えさないらしく、2度目の住民投票を認め始めたのでは?という憶測が出てきている。

コロナ感染の状況にもよるが、5月6日の選挙でSNP党が過半数議席以上獲得すれば、住民投票は2023年上半期までに実施を目指すことになるようだ。

ここからのポンド

最近のポンド取引は、いろいろな材料が重なり合い、非常にやりにくい。買い材料としては、「4月はポンド高」というアノマリーや、ロックダウン一部解除による景気回復期待などが挙げられる。売り材料としては、スコットランドSNP党の躍進と2度目の住民投票実施の可能性、そしてスコットランド独立支持の高まりなどがあろう。

もう一点付け加えると、IMMシカゴ先物市場でのポンド・ロングがまだまだ残っていること。ここにきてロングが減少してはいるものの、まだたっぷり残っている。

私自身は、ポンドに対する中期的な強気には今のところ変化はないが、目先はどっちつかずの相場となりやすく、一旦レンジに突入する可能性も覚悟したほうが良さそうである。

これはポンド/スイスフラン週足に200週SMAを載せたチャートである。乖離の部分に注目すると、左側の黒い丸の形と、右側の丸の形が似ている。果たして今回も一旦ここで底を打ち、上昇。その後また下落し、最終的に大きく上放れするのだろうか?

最後の大きな上放れには、気持ちよく乗っかりたいと考えている。

松崎 美子氏プロフィール

松崎 美子(まつざき よしこ)
ロンドン在住の元為替ディーラー。東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18カ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年シティーにある米系投資銀行に転職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

本記事は2021年4月14日に掲載されたもので、情報提供のみを目的としております。
記事の内容は、松崎美子氏の個人的な見解かつ、掲載当日のものになるため、今後の見通しについての結果や情報の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。また、記事内のデータは、あくまでも過去の実績であり、将来の市場環境の変動などを保証するものではありません。
さらに、かかる情報・意見等に依拠したことにより生じる一切の損害について松崎美子氏、およびワイジェイFX株式会社は一切責任を負いません。最終的な投資判断は、他の資料等も参考にしてご自身の判断でなさるようお願いいたします。
※コンテンツ、データ等の著作権はワイジェイFX株式会社に帰属します。私的利用の範囲内で使用し、無断転載、無断コピー等はおやめください。

YJFX!口座開設者限定コンテンツ「プレミアムレポート」のご紹介

為替業界の著名人や当社のマーケット分析を担当するスペシャリストが執筆したYJFX!のためだけの限定レポートです。PCの取引画面やCymoアプリからご利用いただけます。

みんなのオーダー

YJFX!で取引されているお客さまのポジション状況をグラフ化し毎日更新しています。

YJFX!オリジナル ウィークリーレポート

証券アナリストの資格を持つYJFX!マーケット分析チームが前週の振り返りと今週の注目ポイントをわかりやすく説明しています。

スペシャルレポート

為替トレーダーやアカデミー講師のスペシャルレポートが読めるのはここだけ!他では読むことができない限定レポートをご提供!

プレミアムレポート閲覧方法

ご覧いただくには外貨exの口座をお持ちいただく必要があります。

外貨exの口座をお持ちの方

【スマートフォンをご利用のお客さま】
>Cymoアプリのダウンロードはこちら
①「Cymoアプリ」にログイン
②「ニュース」→「プレミアムレポート」

【パソコンからをご利用のお客さま】
>パソコン版取引画面へのログインはこちら
①取引画面にログイン
②左側メニュー「投資ツール」→「ニュース・レポート」→「プレミアムレポート」

外貨exの口座をまだお持ちでない方

新規口座開設(無料)はこちら

関連する記事

投資にかかる手数料等およびリスクについて
当社ホームページ記載の金融商品へのご投資には、商品ごとに所定の手数料等をご負担いただく場合があります。各商品には価格の変動による損失が生じるおそれがあります。また、店頭外国為替証拠金取引をお取引いただく場合は、当社所定の証拠金が必要となり、元本を超える損失が生じるおそれがあります。なお、商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、当該商品等の「契約締結前交付書面」、「契約締結時交付書面」及び「目論見書」等をよくお読み頂き、それら内容をご理解の上、ご自身の判断と責任において、自己の計算によりお取引を行ってください。

FX・バイナリーオプションならヤフーグループのYJFX!
ワイジェイFX株式会社は
ヤフー株式会社のグループ企業です。
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第271号
加入協会 日本証券業協会 
一般社団法人金融先物取引業協会 
一般社団法人日本投資顧問業協会

YJFX! from Yahoo! JAPAN