スペシャル・トレンドレポート

ハイフリークエンシー指標の重要性(松崎 美子氏)

2020年8月5日

「ハイフリークエンシー」と聞けば誰もが、超高速・高頻度取引の「ハイフリークエンシー・トレーディング(HFT)」を頭に思い浮かべるだろう。

今回のコラムでは、「ハイフリークエンシー指標」、これについてお話ししたい。

ハイフリークエンシー指標とは?

通常、私たちがチェックする経済指標は、月に1度発表されるものが圧倒的に多い。中には、四半期ごとの数字もある。

しかし、パンデミック後の経済回復速度を測るには、1ヶ月後では遅すぎる。もう少し早い周期で世界経済の現状を測る指標はないか?そこで登場したのが、ハイフリークエンシー指標と呼ばれるものである。

7月29日、FOMCの記者会見でパウエル議長も、「High-frequency data shows pace of the recovery has slowed. ハイフリークエンシー指標を見る限り、アメリカの景気回復はやや減速気味となっている。」と語っており、これらの指標もどんどん主流になってきているのを感じた。

注目のハイフリークエンシー指標:アメリカ編

最初は、アメリカの「ニューヨーク連銀・週次経済活動指数(WEI、Weekly economic index)」から紹介しよう。

https://www.newyorkfed.org/research/policy/weekly-economic-index#/interactive

WEI(週次経済活動指数)とは?

私は、こういう指標があることを知らなかったので調べてみると、「ニューヨーク連銀は、週単位で経済の状況を示すWeekly Economic Index(WEI、週次経済活動指数)を作成している。これは10の週次統計の共通成分として推計されたものであり、その時点でのGDP成長率(前年比)を示唆する指数となっている。 」と書かれていた。

気になる10の週次統計とは、以下の通り。

  • Initial unemployment insurance claims (失業保険新規申請)

  • Continuing unemployment insurance claims (失業保険継続申請)

  • Federal taxes withheld (連邦税源泉徴収)

  • Redbook same-store sales (レッドブック・同一店舗売上高)

  • Rasmussen Consumer Index (ラスムセン消費者指数)

  • The American Staffing Association Staffing Index (アメリカ人材派遣協会指数)

  • Raw steel production (粗鋼生産)

  • U.S. railroad traffic (米鉄道交通量)

  • U.S. fuel sales to end users (米燃料販売と最終消費者)

  • U.S. electricity output (米電気出力)

指標発表時間

発表時間については、このような明記があった。

https://www.newyorkfed.org/research/policy/weekly-economic-index#/

「The index is updated Tuesdays and Thursdays at 11:30 a.m. using data available up to 9:00 a.m. When federal holidays occur on a publishing date or change the release schedule for the underlying data, the report is delayed by twenty-four hours.

WEIは、毎週火曜日と木曜日、午前11時30分(日本時間 24時30分:夏時間)に発表。当日午前9時までのデータを使用して算出。発表日が祝日に当たる場合は、24時間遅れての発表となる。」

WEIチャート

上記のURLに載っているチャートを見ると、一番古いデータは2008年1月5日となっているので、たぶん2008年からあった指標であることが考えられる。そして、GDPとの相関性もかなり高い。

一番新しいWEIを調べてみると、

「The WEI is currently -6.60 percent, scaled to four-quarter GDP growth, for the week ended July 25 and -6.65 percent for July 18; for reference, the WEI stood at 1.54 percent for the week ended February 29.

「7月25日で終わった週は、GDPは前期比年率-6.60%
前週 7月18日で終わった週は、-6.65%であった。
ちなみに、2月29日で終わった週の数字は、+1.54%となっている」

注目のハイフリークエンシー指標:ユーロ圏編

次は、ユーロ圏のハイフリークエンシー指標として、「ドイツ連銀 Weekly Activity Index(WAI)」をご紹介しよう。

https://www.bundesbank.de/en/tasks/topics/new-indicator-provides-timely-picture-of-macroeconomic-situation-833526

上述のWEI同様、私ははじめて聞いた名前であった。よく調べてみると、なんと5月20日に出来たばかりの指標のようであるが、ヒストリカル・データページには、2004年7月11日からの数値が載っている。

WAIとは?

上記のリンクページを見ると、「ドイツ連銀は、COVID-19危機が経済活動に与えた影響をチェックするため、WAIという指数を作成し、最新のGDP予想を可能にした。」と書かれている。

WAIは、2つの重要指標と、7つのハイフリークエンシー指標を組み合わせて算出されており、その内訳はこんな感じである。

  • 四半期GDP

  • 鉱工業生産高

  • 電力消費量

  • 高速料金

  • 航空離着陸数

  • 失業率

  • 短時間勤務状況

  • 現金使用率

  • 大気汚染度

https://www.bundesbank.de/en/statistics/economic-activity-and-prices/weekly-activity-index/methodology-833982

WAIチャート

こちらに貼ったリンクでは、過去に遡ったチャートが出ており、GDPとの相関性が高いことが確認できる。ちなみに、チャートの黒い棒グラフがGDP、青い線がWAIとなっている。

https://www.bundesbank.de/en/statistics/economic-activity-and-prices/weekly-activity-index

最新の7月27日発表の数字には、こういう説明がついていた。

「Update as of 27 July 2020
For the week of 20 – 26 July (week 29) the WAI stands at -0.9. The decline was thus lower than that in preceding week (previously -1.8).

7月20~26日週のWAIは、-0.9となり、前週の-1.8より改善。」

注目のハイフリークエンシー指標:全世界/各国別

最後は、日本でも展開している「Open Table Restaurant bookings index」。

日本のURLは、https://www.opentable.jp/

一般的なものは、https://www.opentable.com/state-of-industry

これは、レストランの予約状況を表わす指標で、各国別に毎日数字が更新されている。

予約が出来るレストランの割合

私が住む英国では、ロックダウンでレストランの予約が7月4日まで出来なかった。このチャートは、全世界でどのくらいのレストランが、予約可能になっているかを表わしたもの。

最新の数字では、7割のレストランが予約を受け付けているようだ。

https://www.opentable.com/state-of-industry

レストランで食事をする人たちの比率

次のチャートは、私がデータを取って、自分で作成した各国別のレストランで食事をする人たちの比率である。最新の数字は8月1日であるが、各国バラバラであった。

チャートを見るとわかるが、ドイツの数字が断トツ良い。英国もその次に回復していることがわかる。アメリカは一部の州でロックダウンが継続しているので、仕方がないのかもしれない。

https://www.opentable.com/state-of-industry

ここからのマーケット

ユーロ/ドルのチャートを見ると、2008年からの月足のレジスタンスを上抜けして、7月は終了した。

週足で拡大してみると、レジスタンスは、1.16ミドル辺りに来ている。

まだ今月は始まったばかりであるが、8月末の終値がこのレジスタンスより上で終われば、ユーロの上昇はまだ継続すると考えている。万が一、1.16ミドルを下抜けしたとしても、3月の高値:1.1490/1500が本格的に下抜けしない限り、まだ上昇余地が残っていると考えている。

松崎 美子氏プロフィール

松崎 美子(まつざき よしこ)
ロンドン在住の元為替ディーラー。東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18カ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年シティーにある米系投資銀行に転職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

本記事は2020年8月5日に掲載されたもので、情報提供のみを目的としております。
記事の内容は、松崎美子氏の個人的な見解かつ、掲載当日のものになるため、今後の見通しについての結果や情報の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。また、記事内のデータは、あくまでも過去の実績であり、将来の市場環境の変動などを保証するものではありません。
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