スペシャル・トレンドレポート

マーケットは「アフターコロナ」に注目! ~大規模金融緩和であふれた資金はどこへ?引き続き豪ドル米ドルの反撃は続く~(西原 宏一氏)

2020年4月22日

1)金融市場ではアフターコロナが話題

4月7日(火)、日本政府は新型コロナウイルス感染症よる「緊急事態宣言」を7都府県に発令。その後、4月17日(金) に対象地域を全国に拡大した。

また安倍総理は、すべての国民を対象に、一律で1人あたり10万円の給付を行う方向で、与党で検討を進める考えを明らかにした。

まさに日本は「新型コロナ肺炎ショック」の真只中。

一方、金融マーケットではこの「新型コロナ肺炎ショック」から、いつ経済が再稼働するのか、つまり「アフターコロナ」に注目が集まっている。

では、アフターコロナを探るため、最初に新型コロナウイルスの感染が拡大して都市封鎖された中国・武漢市の封鎖が解除されたという報道から探ってみよう。

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新型コロナ再拡大に懸念=楽観ムード戒め―武漢封鎖解除・中国

中国共産党・政府は8日、世界で最初に新型コロナウイルスの感染が拡大した湖北省武漢市の封鎖措置を約2カ月半ぶりに解除したものの、楽観的なムードを戒めている。初動の遅れで批判を浴びた習近平国家主席にとって、感染の再拡大を許せば、政治的に大きな打撃となりかねない。海外からの入国者や無症状感染者の対応が焦点となっており、国営中央テレビによると、習氏は8日の会議で「外国からの(感染の)流入防止」や「無症状感染者に対する的確な管理」を指示した。

8日の中国政府発表によると、武漢市で累計5万8人が新型コロナに感染、うち2572人が死亡した。感染者は中国全体の6割以上、死者は8割近くを占める。統計に含まれない感染者や死者も多いとみられ、一時は医療崩壊の状況に陥り混乱が広がった。しかし、2月中旬に感染の勢いがピークに達した後、3月19日の発表以降は新規感染者がゼロとなる日が目立つようになり、封鎖措置の解除につながった。

時事通信社

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このように武漢は封鎖解除されたものの楽観的なムードを戒める雰囲気があり、新型コロナ肺炎ショックから抜け出すのはかなり時間がかかりそうだ。

ただ「武漢の封鎖解除」に関してはこうした不安の声が上がっている一方で、景気回復への期待も上がっている。

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封鎖解除の武漢に自動車購入の来店客続々-今後の回復に期待感

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた封鎖措置が8日解除された中国湖北省武漢市で、自動車販売店に購入客が続々と押し寄せている。武漢の経験が参考になるとすれば、中国、ひいては世界の自動車ビジネスの回復ペースは急速かもしれない。

人口1100万人の武漢市に拠点を置く企業は徐々に営業を再開している。消費を控えざるを得なかった繰り越し需要は強く、一部の自動車ディーラーは驚きを隠せない。1日当たりの販売は封鎖前の水準で推移している。

武漢市武昌区にあるアウディ販売店で売り場を担当するチャン・チアチ氏は、車の購入が前年並みの水準に戻り、「非常に驚いている」と話す。「2カ月に及ぶ休眠後、目覚めたかのように急回復した。販売は停滞すると思っていたのに」と述べた。

出所 Bloomberg

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確かに武漢市のアウディ販売店で車の購入が前年並みの水準に戻ったというのは驚きを隠せない。

多くのマーケット関係者も早期の封鎖解除に懐疑的ではあるものの、こうした需要の回復は「アフターコロナ」の一例として無視できない。

2)900pips急騰後も豪ドル米ドルの反撃は続く

そもそも今回の新型コロナショックにより、世界的にかつてない規模の財政出動と金融緩和が行われている。FRBを筆頭に、BOE(英国中銀)、ECB(欧州中銀)、日銀、BOC(カナダ中銀)、PBOC(中国人民銀行)など主要国の中央銀行が緩和に動いているだけでなく、様々な方法で市場に資金供給している。

アフターコロナとは、結局この膨大な資金がどの金融市場に向かうのかが注目されているわけだ。

一般的にマーケットに強い負荷がかかると、株を筆頭としたリスクアセットから資金が逃げ出し、安全な現金、つまり米ドルに流れる。

その結果、極端な米ドル需要(ドル買い)が起こり、米ドル円でいえば101円台から111円台に踏み上がるという相場が展開された。

しかし、その後は、米国を筆頭に、前例のない規模の財政出動と金融緩和が発表され大量のドルが供給された。この行き場を失った膨大な資金は株などのリスクアセットに徐々に移行すると思われる。

こうしたグローバルな資金の動きに筆者が情報交換している海外の友人は、こうした資金がCommodity(商品)市場にも流れるのではないかと注目している。

そして通貨でいえば、Commodity通貨の代表が豪ドル。

先月のコラムでもご紹介した豪ドルだが、まず豪ドル米ドルは3月19日安値の0.5510からあっというまに0.6445まで900pips超の急騰。

そして豪ドル円は安値の59.91円から69.26円と9.35円と約10円暴騰。

さらに凄まじい動きだったのはユーロ豪ドルで、1.9802(3月19日)の高値から1.7004(4月14日)まで暴落。(つまり豪ドル買い)この間2,798ポイント値をさげた。

約2800pipsの動きは、米ドル円なら約28円の暴落である。

前述のように筆者が情報交換している海外の友人達が注目していた豪ドルはほとんどの主要通貨の対し急騰している。

ここで豪ドル米ドルの日足をYJFXの日足チャートで確認してみると、直近の高値(0.70319)と安値(0.55087)の61.8%は0.6450。

そして、4月14日の高値は0.64437。

(YJFX MT4チャートより筆者作成)

つまり豪ドル米ドルは直近の安値から61.8%戻しまで急騰した後に調整に入っている状態。

ただ豪ドル米ドルは2011年7月27日の高値1.1080から今年3月19日の0.5510まで下げたので、過去10年間で価値が半分にまで劣化(つまり豪ドル売り)したことになり、中期では依然売られ過ぎの状態である。(Bloomberg月足チャート参照)

(Bloombergチャートより筆者作成)

本稿執筆時点ではわずか3週間で900 pipsも急騰したため、調整に入っているが世界中の中央銀行による大規模金融緩和の資金がCommodity、そして豪ドル米ドルに流入する流れは変わらず。

この調整が再び豪ドル米ドルをlong(豪ドル買い)にする機会を提供してくれるのではないかと想定している。

アフターコロナが注目される中、上昇を続ける豪ドル米ドルの行方に注目。

西原 宏一氏プロフィール

西原 宏一(にしはら こういち)
株式会社CKキャピタル代表取締役・CEO
青山学院大学卒業後、1985年大手米系銀行のシティバンク東京支店入行。1996年まで同行為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任し、現在(株)CKキャピタルの代表取締役。ロンドン、シンガポールのファンドとの交流が深い。

本記事は2020年4月22日に掲載されたもので、情報提供のみを目的としております。
記事の内容は、西原宏一氏の個人的な見解かつ、掲載当日のものになるため、今後の見通しについての結果や情報の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。また、記事内のデータは、あくまでも過去の実績であり、将来の市場環境の変動などを保証するものではありません。
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