スペシャル・トレンドレポート

Brexit一色の英国、ポンドのボラもMAXか?(松崎 美子氏)

2018年12月5日

普段のイギリスは、12月に入るとクリスマスに向けてウキウキムードとなる。しかし今年は、今週から来週にかけ、Brexitを巡る今年最後の「イベント」が目白押しであるため、能天気にクリスマス・プレゼントを選ぶような心理状態でないのは、皆同じであろう。

12月のBrexit関連イベント表

今週から来週にかけ、国中が「Brexit一色」となる。主なイベントは以下の通りであるが、11日の議会での採決でメイ首相のBrexit法案が支持されれば、イギリス国民は一斉にクリスマス・プレゼントを求め、街に繰り出すことは間違いない。

データ出典:イギリス議会下院事務局

議会での審議:12月4・5・6・10・11日

12月11日に行なわれる議会での採決に向け、12月4日から「1日最長8時間、5日間。合計40時間」に渡り、審議が行なわれる。ここでは、11月25日のEU特別サミットで合意した「Brexit法案」だけでなく、最大6つの「修正案」についても話し合われる。

注意して頂きたいのは、「修正案」についてである。現時点では修正案はひとつも存在しておらず、今後40時間かけて審議される過程で、必要とあればいくつかの案が提出される。そして審議最終日に、下院議長が最大6つまでの「修正案」を選ぶことになる。言い方を変えれば、議会で「修正案必要なし!」と決まれば、Brexit法案だけが採決の対象となる。

出典:イギリス議会下院事務局

Brexitテレビ討論会:12月9日(日)

Brexitに関するテレビ討論会が12月9日(日曜日)の夜に放映されることが決定された。ただし放映時間を巡り、揉めている。メイ首相は20時からの放映を希望しているが、たまたまこの日の20時から人気番組のコンテスト最終戦が放映される予定となっており、国民の多くはそちらの番組を楽しみにしている。その場合は、テレビ討論会の視聴率が低くなるため、放映時間を前後にずらすことになるかもしれない。

放映するテレビ局は、BBCか民放最大手:ITVのいずれかとなる可能性が高い。

気になる対戦相手について、メイ首相は「保守党:メイ首相 対 労働党:コービン党首の一騎打ち以外の選択肢なし!」としているが、他の政党の党首達も参加を希望しており、党首討論会となる可能性は依然残っている。

議会での採決(Meaningful Vote):12月11日(火)

マーケットの関心が一番高いのが、12月11日現地時間19時(日本時間 翌午前4時)から行なわれる議会での採決だ。

上述の通り、最大6つの修正案とBrexit法案全ての採決が実施される。ブルーンバーグによると、各採決に必要な時間は15分程度。そうなると、長くて約2時間程度となる計算だ。

議会の採決で気をつけること

11日の採決で気をつけること、2点。

①Brexit法案の可決(支持)か否決(不支持)結果

現時点では、否決となる可能性が高い。
予想外に可決となれば、一気にポンドが上昇すると予想。

②否決の場合の票差

否決となることについては、ある程度マーケットには織り込み済みと言えるが、票差についてはコンセンサスが出ていない状態である。

あくまでも私の個人的なイメージとしては、

・票差が100票以内
12月13/14日のEUサミットで、メイ首相は先月合意したBrexit法案内容の若干の修正を要請するであろう。もし修正が受け入れられれば、クリスマス前か年明け早々にも、「2度目の議会採決」実施となると考える。

・票差が200票かそれ以上
もし私が首相であれば、辞任する。しかし、メイ首相は「絶対に引かない人」であり、12月3日の朝番に出演した時にも言及を避けたことを考え合わせると、自らの辞任はないと考えるのが妥当であろう。そうなると、議会でメイ内閣不信任決議が発動される可能性が出てくる。

既に最大野党:労働党は、確実にメイ内閣不信任決議の発動を視野に入れていると語っていた。

ここからのポンド

テレビ討論会・議会での採決ともに、結果発表の時間帯がウエリントン市場がそろそろ開く/開いたばかりであるため、流動性が非常に薄い。常識的に考えれば、マーケットのボラティリティーは相当高まると予想される。

個人的には、9日のテレビ討論会での失言やどちらかの出演者に国民の支持が高まった場合、番組終了後の報道で「12月11日の採決、勝負あり!」 となることも十分に考えられるので、気をつけなければいけない。

気になるポンド動向であるが、某通信社が17の機関投資家や銀行を対象としたアンケート調査の結果を発表している。

・12月11日議会採決結果

Brexit合意案は否決(不支持)の可能性 55%
Brexit合意案は可決(支持)の可能性 45%

個人的には、可決(支持)の可能性が45%というのは、高すぎると感じた。このアンケート結果は11月28日に発表されたものであり、それ以降否決(不支持)を示唆する報道が続いたためかもしれない。

・ポンド/ドルの予想

否決(不支持)の場合=1.25
可決(支持)の場合=1.34

繰り返しになるが、12月9日と11日の結果発表の時間は、ウェリントン市場が開いたばかり、或いはもうすぐ開くという「非常に流動性の薄い時間帯」である。くれぐれも無理をして、今年の収益を吹き飛ばすような事態は避けるよう、頑張っていきましょう!

松崎 美子氏プロフィール

松崎 美子(まつざき よしこ)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18カ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年シティーにある米系投資銀行に転職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

本記事は2018年12月5日に掲載されたもので、情報提供のみを目的としております。
記事の内容は、松崎美子氏の個人的な見解かつ、掲載当日のものになるため、今後の見通しについての結果や情報の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。また、記事内のデータは、あくまでも過去の実績であり、将来の市場環境の変動などを保証するものではありません。
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