スペシャル・トレンドレポート

激動の1週間となるか?英・欧で重要指標発表!(松崎 美子氏)

2018年3月22日

今週21日(水)は日本の休日となるが、為替市場では1週間を通じて、かなり重要な経済指標や中央銀行の金融政策理事会が開催される。
今回のコラムでは、今週特に私が注目している指標やイベントについて書いてみたいと思う。

今週の英欧関連イベント

今週の英欧関連経済指標や政治・金融イベントに緑の星をつけてみた。

読者の方がこの記事を読むのは3月22日(木)となるため、私が一番重視している英CPIと雇用統計は発表済みとなるが、予想通りの数字が発表されると想定して進めてみよう。

英・消費者物価指数(CPI)と雇用統計

英・2月消費者物価指数(CPI)は、1月3%に対し、2月予想は、2.8%。
1月雇用統計では、特に注目されるのは賃金上昇率で、12月2.5%に対し、1月は2.6%予想となっている。

このチャートは、両方の数字が「予想通り」となった場合を想定して作成したものであるが、【CPI↓+賃金上昇率↑】となり、徐々に両者の差が縮小してきた。今後、2つの数字が【賃金上昇率>インフレ率】と逆転すれば、「実質賃金増加となり、消費が好調」となる可能性も期待できる(チャート下のピンクハイライト)。

その場合、英国のGDPのうち、約80%を占める個人消費を含むサービスセクターが改善され、結果としてGDPが持ち直すことになるかもしれない。Brexitで傷んでいる英国経済にとっては、思わぬ追い風となるだろう。

もし、この予想通りの数字が発表されれば、CPIで若干英ポンドが緩むかもしれないが、賃金上昇率を受け、英ポンドが全戻しとなることも十分に考えられる。

データ:英統計局(ONS)
消費者物価指数
賃金上昇率

独・ZEW景況感指数とIFO景況感指数

今週発表される3月ZEW景況感指数は、2月17.8よりも低く、13.1予想。

チャート:ZEWホームページ

3月IFO景況感指数も、前月115.4に対し、3月は114.7という予想である。

チャート:IFOホームページ

この2つのドイツ経済指標は、ともにユーロに対してネガティブな内容となっている。

ユーロ圏・製造業/サービス業PMI速報値

3月22日(木)に発表されるユーロ圏・3月製造業/サービス業PMI速報値は、独仏ユーロ圏全ての地域で、2月より低い予想となっている。この通りの結果となれば、ユーロにとってはネガティブ材料となろう。

データ:Markit社ホームページ

英中銀金融政策理事会(MPC)

2月のSuper Thursdayでは、四半期インフレーション・レポート発表と記者会見が行なわれ、次回Super Thursday:5月10日(木)にも利上げが実施される思惑が高まった。

金利先物市場では、今週のMPCで利上げをする可能性は、15%。5月10日(木)利上げは、62%の可能性となっている。

もし、政策金利据え置き決定が、コンセンサス通り「9対0」でなく、「8対1」となり、1人でも利上げ票を入れた理事が出てきた場合、或いは5月10日(木)利上げ実施を、既成事実化するような強い文言が議事要旨に入っていれば、英ポンドは上昇することが予想される。

EU首脳会談

3月22~23日にEU首脳会談が開催される。英国のEU離脱交渉のうち、特に移行期間について合意される予定となっている。

執筆時(3月19日月曜日)に伝わってきたニュースによれば、同日行なわれたバルニエEU主席Brexit担当官とデービス英Brexit担当相による記者会見の席では、大幅な英国側の譲歩の末、以下の点において合意する予定であると発表された。

  • 2年間の交渉終了後の移行期間は、21カ月となり、2020年12月末まで
  • 2020年12月まで、英国はEUに対し拠出金支払いの義務を負う
  • 移行期間中は、英国はEUの意思決定プロセスから除外される
  • しかし、単一市場と関税同盟の恩恵は受けられる
  • 移行期間中に英国に入国したEU市民は、それ以前に英国に入国したEU市民と同じ権利を享受できる
  • 移行期間中、英国はEU以外の国と個別貿易交渉を行なうことが出来る
  • 移行期間中、英国の漁業権の管理は、EUに決定権がある
  • 北アイルランド国境問題を解決するためにも、北アイルランドだけが、EU関税地域に残る可能性が出てくる(この問題に関しては、最終決定がされていない)

しかし、北アイルランド国境問題と漁業権において、北アイルランドとスコットランドからの猛烈な反対が予想され、果たしてEU首脳会談で正式に署名されるかは、現時点では定かではない。

今週のマーケット予想

この記事が掲載される木曜日までにマーケットは相当動いているだろうが、現時点でのイメージは、こんな感じである。

ユーロ/米ドルは、先週金曜日に一目均衡表の雲の中に入って終了したが、今週月曜日に、また雲の上に浮上してきた。差し当たり、ピンクの線を引いた1.21~1.24ドルのレンジを想定する。

チャート:筆者作成

次は「英ポンド/米ドル」4時間足にベガス・トンネルを引いて検証してみた。4時間足のため、皆さんがこの記事を読む頃には、だいぶチャートの形が変わっているかもしれない。

さしあたり、現時点では、ベガス・トンネルが通る1.3900ドルがサポート。上は赤星印をつけた1.41ドル台ミドル付近を想定している。

チャート:筆者作成

松崎 美子氏プロフィール

松崎 美子(まつざき よしこ)
東京でスイス系銀行Dealing Roomで見習いトレイダーとしてスタート。18カ月後に渡英決定。1989年よりロンドン・シティーにあるバークレイズ銀行本店Dealing Roomに就職。1991年に出産。1997年シティーにある米系投資銀行に転職。その後、憧れの専業主婦をしたが時間をもてあまし気味。英系銀行の元同僚と飲みに行き、証拠金取引の話しを聞き、早速証拠金取引開始。

本記事は2018年3月22日に掲載されたもので、情報提供のみを目的としております。
記事の内容は、松崎美子氏の個人的な見解かつ、掲載当日のものになるため、今後の見通しについての結果や情報の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。また、記事内のデータは、あくまでも過去の実績であり、将来の市場環境の変動などを保証するものではありません。
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