スペシャル・トレンドレポート

米ドル/円は目先レンジも、 中期的に「強い米ドル」を想定(遠藤 寿保)

2017年2月6日

トランプ大統領、「やりたいほうだい」?!

1月20日(金)の米国大統領就任演説では、「あらゆる面で米国民に恩恵を与える政策を行う」と保護主義を強調する内容となった。マーケットは、米長期債利回りがマイナス圏に転じるなど、「米ドル/円」にとっては、上値をおさえられる展開となった。その後、トランプ氏は、選挙前の公約通り、TPPの脱退・NAFTA再交渉・カナダへの原油パイプライン計画・移民対策や南部国境の壁構築建設などに署名、はたまたシリア難民の受け入れ停止やイスラム圏7カ国出身者の一時入国禁止を「大統領令」として命じたことで、金融マーケットも、その行動に懸念を抱いている。また、米国の通商通貨政策においては、貿易不均衡の是正を訴えていて、中国・日本がターゲットとなっている。特に中国に対しての元安には、厳しい対応となりそうだ。中国においては深刻な資本流出が続いていて、主因は米国が昨年末に利上げしたことによるもので、FRBが米国の利上げペースを速めるという方針に歯止めがかかる可能性も出てきた。また1月31日(火)には、「日本は通貨切り下げで市場を手玉に取った」と批判し、「米ドル/円」は112.08円の安値をつけた。1月にイエレンFRB議長が今後の利上げに対してタカ派の発言をしたが、2月1日(水)のFOMCでは、「政策金利据え置き」で、声明文は前回とほとんど変わらない内容となり、最近のトランプ大統領による米ドル高牽制発言の進展を静観する動きとなった。

▽トランプ大統領の動向

大統領就任後のトランプ大統領は、「やりたいほうだい」と見えるが、ビジネスの常套手段としての先制攻撃ではないかと予測する。しかし、もし、本気で保護主義政策を諸外国に許容させようとしているのであれば、世界経済へのダメージは計り知れない。暫くは、トランプ大統領の発言に影響を受ける展開が続くと思われる。今後、実務者レベルなどとの各国交渉が落ち着つけば、中長期的に米国保護主義は、「強い米国=強い米ドル」となると予測する。

「米ドル/円」の展望

現在の「米ドル/円」は、1月31日(火)に112.08円の安値をつけたが、このレベルは、昨年11月9日(水)のトランプ・ショック時につけた安値101.18円から昨年12月15日(木)につけた118.66円の高値に対する上昇幅に対しての38.2%(112.00円)レベルに相当する。テクニカル的には112円を割り込むと、上記上昇幅の50%レベルである109.92円までの可能性があるが、現時点においては、112円台で実需や邦銀勢の買い意欲が高く、押し目買いが入っているようだ。しかし、米国の米ドル高牽制発言が起きている事から115円台以上の上昇は抑えられそうである。

「米ドル/円」112円がポイントか

仮に、昨年から始まったトランプ相場で、今回の下落が調整と過程し112円レベルで反転したとすると、昨年11月9日(水)の安値101.18円・昨年12月15日(水)の高値118.66円・今年1月31日(火)の安値112.08円からの上昇拡張(フィボナッチ・ターゲット)で計測すると、38.2%が118.75円レベルとなり、61.8%が122.88円レベルとなる。目先調整の日柄が必要かもしれないが、トランプ口撃が計算であれば、再び118円台を目指すのではないか。

遠藤 寿保プロフィール

遠藤 寿保(えんどう としやす)
98年日本初のFX事業開始から、Web広告やセミナー運営、リスク管理啓蒙などFX業務全般に携わる。数多くの一般投資家と接しながら、現在、YJFX!にてFXエバンジェリストとして情報配信・FXコラム執筆・セミナー活動等を行っている。

本記事は2017年2月6日に掲載されたもので、情報提供のみを目的としております。
記事の内容は、遠藤寿保の個人的な見解かつ、掲載当日のものになるため、今後の見通しについての結果や情報の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。また、記事内のデータは、あくまでも過去の実績であり、将来の市場環境の変動などを保証するものではありません。
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