目次
今回は、上位時間足を利用したトレード手法をご紹介します。時間足は、原則的に大きな時間足に影響されます。この原則を理解し、テクニカル指標と併用することでより精度の高いトレードが可能になります。上位時間足の確認は、トレードの基本でもあるのでぜひ身につけてください。
上位時間足とトレンドの確認方法
上位時間足とラインでトレンドを確認する
トレードをする時間足の上位時間足でトレンドラインを引くことで、現在見ている時間足が、どのようなトレンドの中にいるのか確認することができます。
- 日足(4時間足)でトレードする場合:週足にトレンドラインを引く
- 30分足(1時間足)でトレードする場合:4時間足にトレンドラインを引く
- 5分足でトレードする場合:30分足にトレンドラインを引く
トレンドラインの引き方
-
1.
高値、安値のポイントを見つける(両隣2つ以上と比較して)
-
2.
ポイント同士をラインで結ぶ


平野氏アドバイス

トレンドラインの引き方について、一般的には「上昇相場であれば安値と安値を結んだライン」、「下降相場であれば高値と高値を結んだライン」と説明されることが多いと思います。唯一の正解はなく、最終的には投資家が使いやすいラインになると思います。今回の引き方も、あくまでひとつの手法として学んでいただき、自分なりのアレンジをしてください。
上位時間足とパラボリックを用いた売買エントリー&決済例
考え方
- 実際にトレードを行う足よりも上の時間足のトレンドを確認する
- エントリーはボリンジャーバンドの方向でポジションを構築し、バンド内で決済をする
- 決済時にはテクニカル指標「ATR」も併用して相場の過熱感を確認する
ATRとは
アベレージ・トゥルー・レンジの略。値動きの変動率から、相場の過熱感(買われ過ぎ・売られ過ぎ)を判断します
エントリーのためのチャート設定
上位時間のライン
- 日足(4時間足)でトレードする場合:週足にトレンドラインを引く
- 30分足(1時間足)でトレードする場合:4時間足にトレンドラインを引く
- 5分足でトレードする場合:30分足にトレンドラインを引く
ボリンジャーバンド
期間:15
ATR
デフォルト設定のまま
エントリールール
買いの場合
- 上位時間足が上昇トレンドを形成中
- 下位時間足のボリンジャーバンドを確認し、移動平均線が上昇中
- レートが+1σ以下で推移しているときに、+1σに逆指値注文を置く
売りの場合
- 上位時間足が下降トレンドを形成中
- 下位時間足のボリンジャーバンドを確認し、移動平均線が下降中
- レートが-1σ以下で推移しているときに、-1σに逆指値注文を置く
決済ルール
買いの場合
- 「+2σの水準」+「ATR(5期間)の値」を指値注文で利益確定
- エントリーした足の「-1σ」に逆指値注文でロスカット
売りの場合
- 「-2σの水準」-「ATR(5期間)の値」を指値注文で利益確定
- エントリーした足の「+1σ」に逆指値注文でロスカット
まとめ
- 上位時間足を意識することで、トレードする時間足の相場の方向性を確認することができる
- 上位時間足でのトレンドは、サポートライン、レジスタントラインで確認する
- エントリーは上位時間足でトレンドの方向を確認し、ボリンジャーバンドを利用して「押し目買い」「戻り売り」のエントリー
平野氏アドバイス

今回は、上位時間足を使った手法をご紹介しました。ごく基本的な手法ではありますが、上位時間足でラインをきちんと引くことは、上級者になっても通用する方法です。今回の記事を参考にしていただきながら、確実に身につけていただけると上達につながると思います。
映像でもっとFXを学ぼう
今回のテーマについて、平野氏によるオンラインセミナー動画をご紹介します。
実際のチャートを見ながら、実践的な解説を聞くことができますので、ぜひご覧ください。
講師紹介

- 平野 朋之(ひらの ともゆき)
- ネット証券にてFX事業全般の業務、自己売買部門でのディーラー業務、投資情報室にて日経225の情報発信、セミナー講師を務める。その後投資顧問会社を経て、マーケット情報発信、セミナーを開催する傍ら、オリジナル手法を使い自己トレードの実践中。
※この記事は2016年9月1日に執筆されたものです。