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今回は、オシレータ系のテクニカル指標であるストキャスティクスを利用した手法をご紹介します。この指標には、トレンドが続くと機能しないという欠点がありますが、それを逆手にとることで、効果的なエントリーを実現します。ぜひお試しください。
ストキャスティクスとは?
ストキャスティクスとは、オシレータ系のテクニカル指標で、一定期間内の最高値と最安値の間で現在の価格がどの水準にあるかを示します。判断基準の目安として、70%以上で「買われ過ぎ」、30%以下で「売られ過ぎ」と捉えます。
指標は、「%K」と「%D」から構成されており、「%K」が一定期間の価格の変動で終値がどの位置にあるかを示し、「%D」が、一定期間の数値の平均を表しています。

ストキャスティクスの表示方法(外貨exの場合)
チャートのテクニカルをクリック。ポップアップの画面内にある、「ストキャスティクス」の項目をクリック。さらに、ストキャスティクスの名前をダブルクリックすると詳細の設定ができます。今回は、「5,5,3」で設定しています。
ストキャスティクスの過熱圏トレードの狙い
オシレータ系テクニカルの欠点を逆手に取る
ストキャスティクスのようなオシレータ系テクニカルは、現在のレートが「高すぎる」のか「安すぎる」のかを判断するために使われます。そのため、逆張りに使われることが多いとされていますが、たとえば、一方的なトレンドが継続し、「過熱している」場合は、オシレータ系テクニカルは「高値圏」「安値圏」で張り付いてしまい機能しなくなるケースがありました。それを逆手にとって、買われ(売られ)過ぎたところから、さらに順張りでエントリーをするというのが今回の手法です。
トレンドフォロー系のテクニカルで利益を伸ばす
相場が過熱している場合、比較的大きなトレンドが発生する可能性があります。それを見極め、利益を伸ばすために今回はトレンドフォロー系のテクニカル指標である「パラボリック」を利用します。
パラボリックとは?
大相場に活躍するテクニカル分析の指標であり、ローソクチャートの上下に出ている放物線の形をした線の事を指しています。
パラボリックの表示方法(外貨exの場合)
チャートの基本テクニカルの中にパラボリックのボックスがありますので、それをチェックしていただけると表示されます。今回のパラメーターは0.02。
平野氏アドバイス

パラボリックで表示されるシグナルすべてでエントリーを行うと、テクニカル上の「ダマシ」に遭遇する確率が高まります。今回はストキャスティクスで確認した「過熱圏」でエントリーすることで、その可能性を減らします。
ストキャスティクスの加熱圏トレードの売買例
実際に売買例を動画で見ながら今回のトレード手法を見ていきましょう。
買い:エントリーのセットアップ
- ストキャスティクスのパラメーター(5,5,3)が「68or70」を上回る
- 次の足の「始値」でエントリー
売り:エントリーのセットアップ
- ストキャスティクスのパラメーター(5,5,3)が「30or33」を下回る
- 次の足の「始値」でエントリー
買い:ポジションの決済例
パラボリックの反転で決済(買いシグナル中はポジション継続)
売り:ポジションの決済例
パラボリックの反転で決済(売りシグナル中はポジション継続)
買い:ロスカットポイント例
エントリーと同時に、「セットアップより一本前」の安値にロスカット注文を入れる
売り:ロスカットポイント例
エントリーと同時に、「セットアップより一本前」の高値にロスカット注文を入れる
まとめ
- オシレータ系のテクニカルには、トレンドが過熱すると機能しなくなるという欠点がある。しかし、それを「過熱を確認する」指標と捉えることもできる
- 過熱すると大相場となる可能性がある。それを確認するためにパラボリックを利用してトレンドの動きをチェックする
- ストキャスティクスを見てエントリーをして、パラボリックの反転で決済を行う
平野氏アドバイス

従来、オシレータ系の欠点とされていた部分を逆に利用することが今回の手法のポイントです。これは長期トレード、短期トレード、両方で活用できると思います。ぜひ試してみてください。
映像でもっとFXを学ぼう
今回のテーマについて、平野氏によるオンラインセミナー動画をご紹介します。実際のチャートを見ながら、実践的な解説を聞くことができますので、ぜひご覧ください。
講師紹介

- 平野 朋之(ひらの ともゆき)
- 米国大学を卒業後、海外取引所関連の仕事に従事。その後、ひまわり証券にてFX業務全般、 自己売買部門にてディーラー、投資情報室にてFX、日経225の情報発信、セミナー講師を 務め、2011年トレードタイムを設立。自らも売買をし、個人投資家支援としてe-ラーニングを通じ手法の公開、 FX会社への情報発信業務、FX雑誌にも連載記事を掲載中。
※この記事は2016年9月1日に執筆されたものです。