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今回は、HLバンドを利用した逆張りの手法をご紹介します。この指標はトレンドフォロー系ですが、大相場にならないと失速することも多い、という欠点があります。その特徴を利用した、効果的なエントリーを目指します。ぜひお試しください。
テクニカル指標「HLバンド」とは
HLバンドはトレンドフォロー系テクニカル指標
HLバンドは、「ダウ理論」でも使われる主要な安値、高値を捉えるテクニカル指標です。チャートでは、「Hバンド(前の足から遡ってX日間の高値)」、「Lバンド(前の足から遡ってX日間安値)」、「ミドルバンド(中心線。HバンドとLバンドの仲値)」の3つで構成されます。

HLバンドの一般的な使い方
HLバンドは、一般的にはトレンドフォローとして利用されます。主なエントリー方法として知られているのが、
- 「Hバンド」を上抜けたら、買いエントリー
- 「Lバンド」を下抜けたら、売りエントリー
というブレイクアウト手法。しかし、このエントリー方法は、「大相場」のときに効果を発揮しますが、多くの場合は途中で失速してしまう可能性が高い。そこで、今回はその傾向を利用して、高値・安値更新を失敗したところを逆張りエントリーに使ってみます。
平野氏アドバイス

HLバンドは、過去ドル円が200円だった頃は非常に効果的な指標として注目をされました。当時は上がり続ける大相場だったので、良く機能したのだと思います。しかし、現在そのような大相場が続くケースは滅多にありませんので、その点を踏まえてこの指標を使ってください。
HLバンドを使った売買エントリー&決済例
考え方
- HLバンドを利用し、高値or安値更新ができないポイントを見つける
- そのポイントから価格が戻るところをエントリー
エントリーのためのチャート設定
HLバンド設定
高値算出期間:10(デフォルト20)
安値算出期間:10(デフォルト20)
エントリールール
買いの場合
- 「Lバンド」に沿って安値更新しているポイントを探す
- その後、終値が「Lバンド」の内側に入ることを確認
- 次の足で「成行」でエントリー
売りの場合
- 「Hバンド」に沿って高値更新しているポイントを探す
- その後、終値が「Hバンド」の内側に入ることを確認
- 次の足で「成行」でエントリー
決済ルール
買いの場合
- ポジションを2つに分ける
- 1つは、ミドルバンドに指値を置く
- もう1つは「Hバンド」で決済
- ロスカットは直近の「安値」から「5pips下」に逆指値注文を置く
売りの場合
- ポジションを2つに分ける
- 1つは、ミドルバンドに指値を置く
- もう1つは「Lバンド」で決済
- ロスカットは直近の「高値」から「5pips上」に逆指値注文を置く
平野氏アドバイス

今回ロスカットのポイントは5pipsを目安に置くようにしています。もっとリスクをとるケースもあるかと思いますが、まずはリスクの低いこの設定で試してみて、ご自身の判断で再設定していただければいいと思います。
まとめ
- HLバンドは、一般的にはブレイクアウト手法で使われることが多い。しかし、大相場でないと失速するケースが頻出する
- 失速するケースを利用した、逆張りが今回紹介する手法
- 高値・安値更新を失敗したポイントをエントリーに置く
- ロスカットは直近の高値・安値から5pips離す。リスクを低く持っておく
平野氏アドバイス

HLバンドはシンプルな3つの要素ですので、初心者の方にも使いやすいと思います。エントリールールを守って、ぜひご自身のトレードに取り入れてみてください。
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今回のテーマについて、平野氏によるオンラインセミナー動画をご紹介します。実際のチャートを見ながら、実践的な解説を聞くことができますので、ぜひご覧ください。
講師紹介

- 平野 朋之(ひらの ともゆき)
- ネット証券にてFX事業全般の業務、自己売買部門でのディーラー業務、投資情報室にて日経225の情報発信、セミナー講師を務める。その後投資顧問会社を経て、マーケット情報発信、セミナーを開催する傍ら、オリジナル手法を使い自己トレードの実践中。
※この記事は2016年9月1日に執筆されたものです。