目次
1. マーケット・チェック〜マーケットのブル・ベア要素をチェック〜
ブル要因
ブル:国境税調整
トランプ政権では国内での生産を増やしていく目的から輸入品に20%の課税をする税制改革を行う方針です。アメリカで使用される車をメキシコで生産し、アメリカに輸入した場合に20%の課税をすることになります。
実質、輸入品のみに課税がされることになるため、輸出増・輸入減となり、また、輸入コスト増の影響により物価が上昇し、米ドル高、インフレが進むことが想定されます。

ブル:米財政支出拡大
トランプ米大統領就任後、やつぎ早に決定する政策によって、インフラ投資などの財政支出が増え金利が上昇して米ドル高となる可能性があります。

ブル:HIA(本国投資法=レパトリ減税)
HIAは、2005年のブッシュ政権時に行われた法人所得減税で、アメリカ企業が国外で稼いだお金を国内に還流すれば減税する政策です。2005年当時はHIAの実施により米ドルが買われてドル高になりました。今回、トランプ政権においても、HIA2と呼ばれる減税政策を実施する方針です。

ブル:シムズ理論
シムズ理論と呼ばれる「物価水準を決めるのは金融政策だけでなく、財政政策も必要」という経済理論を浜田宏一(内閣官房参与)が支持しました。そのため、安部政権も従来までの金融緩和のみでデフレから脱却するという考えから、デフレから脱却するには金融政策だけでなく財政政策も必要であるという考えに至り、シムズ理論に則って、物価上昇によるデフレ脱却を狙った財政支出拡大を実施する可能性があると言われています。

ブル:FRB年利上げ思惑
2015年12月にFRBが最初の利上げを行い、2016年にも1回の利上げを行いました。トランプ政権においては、FRBが2017年に3回の利上げを実施し、金利3%を目指すとされています。主要国がゼロ金利の中で、豪ドルが1.5%、ニュージーランドドル1.75%の現状において米ドルが3%となれば、金利高により資金が一気に米ドルに集中するでしょう。

ベア要因
ベア:保護主義懸念
トランプ米大統領の保護主義が台頭すると、経済活動が阻害され株価が下落し輸入コストと生産コストが上昇して、物価上昇につながります。

ベア:テクニカル要因 一目均衡表 米ドル/円
遅行線がロウソク足を下回って厚い雲の中に入っているベア状態です。

ベア:テクニカル要因 一目均衡表 ユーロ/米ドル
ユーロに対して米ドル安になっています。

ベア:原油市場動向
原油相場では買いが多いのに上値が重くもみ合い商状となっており、NYダウが下がる可能性があります。

ベア:安全保障・地政学リスク
中国と台湾の関係やエルサレムに駐イスラエル大使館を置くなどの国際政治上の合意・安定を脅かすような問題が国際政治の緊張を高めれば、リスクオフの可能性が高まります。

2. ディーリングルーム〜西原氏の相場展望〜
NYダウ
月足ではNYダウが2万ドルをつけていますが、更に上昇の可能性があります。

金相場と米ドル相場
金相場と米ドル相場の逆相関性が高まっています。
日経平均株価
13週移動平均線が抵抗線となれば日経平均も調整終わりから上昇になりそうです。

講師紹介

- 西原 宏一(にしはら こういち)氏
- 大手米系銀行のシティバンク東京支店にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任し、現在(株)CKキャピタルの代表取締役。ロンドン、シンガポールのファンドとの交流が深い。
※この記事は2017年3月1日に執筆されたものです。
本セミナーは2017年1月31日に実施したもので、情報提供のみを目的としております。
セミナーの内容及び資料は、西原宏一氏の個人的な見解かつ、開催当日のものになるため、今後の見通しについての結果や情報の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。また、資料内のデータは、あくまでも過去の実績であり、将来の市場環境の変動などを保証するものではありません。
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